2013年 05月 22日
5月13日の記事で紹介した写真は、 アウシュビッツ=ビルケナウ ナチス・ドイツの強制・絶滅収容所のものです。 立ち並ぶレンガ造りの建物と、ポプラの木。 周りをとり囲む有刺鉄線(当時はここに高圧電流が流されていた)がなければ、 よもやここが、あの惨劇の現場だとは到底思えない、静けさ。 ここを初めて訪れた18年前、施設の中を吹き抜ける5月の風に、どこか、のどかさすら漂うように感じられてしまうことが、とにかく衝撃だった。 もとはポーランド軍の兵舎であったものを、強制・絶滅収容所として転用し、 何百万人もの命が、何の理由もなく理不尽に消されていった場所。 建物自体が整然としていて、一種の美しさすらをも備えていることは理解できる。 もともと、強制収容所として建てられたのではないのだから。 だが、収容所となった後もここにポプラの木を植え続けていたという事実が(実際の植樹は、収容されていた人々の労働力によってなされている)、私には何よりも恐ろしく思える。 時の為政者側の頭の中に、ガス室まで設けて大量殺戮を行うことと、樹木を植えて施設の美観を保つことが、矛盾なくおさまっていたということが。 ※第2次世界大戦から数十年を経て、建物の高さより大きく成長していたポプラの木々は、訳あって数年前に若木に植え替えられました。結果、現在の風景は1940年〜45年当時の雰囲気に、より近いものとなっているのだそうです。
by igiea
| 2013-05-22 16:11
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