2013年 04月 01日
私が暮らしていた、90年代半ばのベルリンといえば・・・。 ドイツ統一から数年、ちょうど首都をボンから移す決定がなされた時期。再生に向けて動き始めたベルリンという街で暮らすこと自体がちょっとした冒険のようだった。 東西に分断されていた道路や地下鉄の復元、新しい国会議事堂や鉄道の中央駅の建設、ベルリン全体が欧州最大の工事現場と揶揄されたていたがまさにその通りで、アウトバーンなど旧東時代にメンテナンスが不十分だったインフラの再整備も含め、至る所で工事、工事、工事! 社会のソフト面でも色々な変化があり、例えば公共交通機関の料金に、旧東ドイツ市民用の割引カテゴリーがあったのだが、そういったシステムはやがて消えた。 目に見えて変化するものがある一方で、蓋を開けてみたら存外に大きかったというのが率直なところの、東と西の間に横たわる溝の問題、特に東西両市民の心理的距離が容易には縮まらないことに、人々が当惑し始めた時期でもあった。 ある日、主人(※日本人です)が東ドイツ出身の同僚と一緒に昼食をとっていると、「彼ら(旧西出身のドイツ人同僚のこと)は、我々と一緒に食事をしてくれないんだ・・・。」とさめざめと泣かれたという話を聞いたときのやるせなさは、今でもよく覚えている。 わずか2年ほどの滞在で経験できたことなど限られているのだが、あの時期に受けた影響は意外と大きかったのだな、と今になって思ったりする次第。 ところで、最近のガイドブックでは旧東のプレンツラウアー・ベルク地区が、若者にも人気のおしゃれスポットと紹介されているので、はてさてどんなものかと出かけてみて、シンプルに驚いた。 雰囲気抜群のカフェや雑貨・食材店が点在していて、以前は取り立てて話題に上ることもない地区だったのになぁ、とその変貌ぶりにただ隔世の感あるのみ。 「Goldhahn und Sampson」 ワインと世界各国の食材、料理本がこんな風に揃っていて、カフェも併設。 写真にはありませんが、奥にはキッチンスタジオがあって、料理教室も開催とは、まさに理想的な空間。 こんなお店に、ここで出逢えるなんて・・・。 繰り返しますが、隔世の感あるのみ。
by igiea
| 2013-04-01 16:25
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