2012年 10月 14日

EUノーベル平和賞に思う 

2012年のノーベル平和賞がEU(欧州連合)に授与されました。

が、その主体であるところの一般欧州市民はこれについてどう感じているのだろう?
皮肉っぽい例えになりますが、
仮に賞金9000万円を全員で分けるとすると、欧州連合の人口が約5億人なので、一人当たり0.18円となります。
うーん、市民の感動はこの金額に比例しているのか??
来月ノルウェーで行われる授賞式に誰が出席すべきか、議論が交わされているという事態がいみじくも示す通り、誰が何を持って受賞したのか非常に分かりにくい、というのが率直なところでしょう。

欧州統合自体がまだ途上であり、その功績について判断を下すには、あと100年くらいは待つ必要があると思いますが、この試みの意義、価値は私も大いに認めています。
例えば昨年夏に訪ねた南チロルは、かつて帰属問題に揺れ、甚大な犠牲を払ってきた過去を持つ地域で、この悲惨な歴史を円満に解決できるほとんど唯一といっていい方法、それが欧州連合だからです。オーストリアとイタリア、それぞれの間から「国境」が消え、両国が欧州という大きな枠のもとで融合し同等の主権が保障されるのであれば、住民にとって、属するのがオーストリアかイタリアか?は一顧する価値すらない問題となることでしょう。いや、既にそうなりつつあります。南チロルの人に「お国はどちらですか?」と尋ねたなら、「南チロルです。」というシンプルな答えが返ってくるに違いないのですから。
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オーストリアとイタリアは過去に何度も戦い、多くの血を流してきました。
戦争と政治的駆け引きの結果、イタリア領となった南チロルには、今も多くのオーストリア系住民が暮らしています。彼らの村のとあるレストランに飾られていた、ハプスブルク皇帝のフランツ・ヨーゼフの肖像画。これが全てを物語っているような気がします。


それにしても、「Friedensnobelpreiseträger(ノーベル平和賞受賞者)」で一語ですよ!
慣れればどうってことないのですが、何となくとっつきにくい印象だよなあ、と改めて思います、ドイツ語って・・・。
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by igiea | 2012-10-14 19:07 | その他 | Trackback | Comments(2)
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Commented by futari-to-nihiki at 2012-10-15 00:43
EUのノーベル平和賞受賞のニュースは、運転中にラジオで聞きましたが、???まったくピンとこなかったんです。EUって、もっと経済的な意図で成り立ってきたと思っていたから。でも、ヨーロッパの各国が同等の主権を持つこと、EUという枠の中で成長できることがヨーロッパの平和につながる・・・という見解なわけですね?でも、ギリシャは破たんしているし、スペインも危ういし、私のような経済に疎い人間が日本から見るとその功績はよくわからないというのが本音です。でも、おっしゃる通り、まだ評価には早すぎるのでしょうね。それにしても、ヨーロッパのみならず、各民族のルーツに対する執念というか誇りというか、感銘を受けます。島国単一民族の日本ではなかなか育ちにくい、いえ、きっと日本人の中にもあるんだけど、日常の中ではみんな同じ民族なので確認しにくいのでしょうね。
Commented by igiea at 2012-10-15 18:06
futari-to-nihikiさま
EUの真価が問われるのは、まだまだこれからだと思います。
この平和賞受賞が、50年後にどう評価されるのか、それまで生きていたら、楽しみに見届けたいと(笑)。
その前に日本の心配をせねば、ではありますが・・・。




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