2011年 12月 05日
久しぶりのコーヒーネタは、「本場のウィンナー・コーヒーを飲みたい。」というリクエストにお応えするのは、意外と大変だというお話を少し。 ウィンナー・コーヒー(Winer Kaffee/独語の発音に従うとヴィーナー・カフェー)、即ちウィーン風コーヒーとは、ウィーン発祥のコーヒーの飲み方のひとつで、ブラックコーヒーにホイップクリームを浮かべたものを指します。これは日本だけでなく、例えばイタリアではCafe Vienne、 フランスであればCafe Vienoise(どちらもウィーン風コーヒーの意)という名の、ホイップクリームたっぷりのコーヒーを、メニューで見つけることができます。 しかしながら(まあ当然と言えば当然ですが)、ウィーンにわざわざ「ウィーン風」などど銘打ったコーヒーは存在しません。日本でいう「ウィンナー・コーヒー」に近い飲み物として、ガイドブックなどで紹介されているのが、アインシュペナー(Einspänner)です。プラックコーヒーにホイップクリームをのせたもので、コーヒーとクリームの比率はほぼ1対1(クリーム多いです!笑)。ガラスのコップ入りである点がポイントです。アインシュペナーとは一頭立ての馬車という意味で、御者たちが待ち時間にコップで気軽に飲んでいたことから、この名がついたと言われています。 ちなみに、同じブラックコーヒー+ホイップクリームでも、陶器のカップ入りのものは、カプツィーナー(Kapuziner)と名前が変わります。厳密に比較すると、アインシュペナーよりホイップクリームの量が少なく、好みで粉砂糖を振りかける点が異なりますが、とにかくよく似ています。故にあえて両方をメニューに置く必要はないと判断されてしまうのか、アインシュぺナーがたいていのカフェにある代わりに、カプツィーナーには滅多にお目にかかれません。私の知る限り、ウィーン市内のカフェハウスでこれを置いているのは、9区のCafe Weimar くらいでしょうか・・・。 アインシュペナーよりもカプツィーナーの方が、日本人がイメージするウィンナー・コーヒーに近くてオススメなのですが、どのカフェでも気軽に注文できる、とはいかないのが難点です。
by igiea
| 2011-12-05 23:41
| Kaffee・ 珈琲
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