ウィーン散策 Lustiger Spaziergang in Wien

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2011年 02月 03日

ウィーン 伝統のコーヒーとは?

さすがに、ビリヤード台があるカフェハウスはウィーンでも貴重な存在。
Cafe Sperl (カフェ・シュペール)では、今でもビリヤードに興じる紳士の姿をよく見かけます。
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ところで、記録によるとウィーンで最初のカフェハウスは1683年が創業。
ヨーロッパで最初のカフェは、遡ること1645年にベネチアで開業しており、しばらく時を経てオックスフォード(1650年)、ロンドン(1652年)、デンハーグ(1664年)、マルセイユ(1671年)と続きます。少し意外ですが、ウィーンは最古参という訳ではありません。
同じ豆でも、焙煎の程度や淹れ方をかえることで、全く違う味わいを引き出せるコーヒー。
そこが魅力であり、面白さであり、同時に怖さでもあり‥。
330年近いウィーンカフェハウスの歴史のなか、コーヒーは人々を魅了し続け、それ故に様々な淹れ方・飲まれ方が生まれ、流行してはやがて廃れる、を繰り返してきました。それは今日まで脈々と続いています。
数多あるコーヒーのなか、どれをもって「ウィーンの伝統」と定義するかについては、様々な意見や解釈があって当然でしょう。
ただ歴史を振り返ったとき、19世紀末から20世紀初頭にかけての時期に、ウィーンのカフェハウスがその絶頂を迎えていた、という点に異論を唱える人は皆無だと思います。
常連客として画家、建築家、小説家らが集い、議論を交わし、名実ともに文化の母胎であったカフェハウス。例えば、グスタフ・クリムト、コロ・モーザー、マリア・オルブリッヒらが通い詰め、ウィーンのアール・ヌーヴォー芸術の魁(さきがけ)となる分離派を結成したのが、カフェ・シュペールであったという輝かしい事実。
これらをもって、19世紀末に発明され、カフェハウスが最も輝いていた時代(それは即ちウィーンの黄金時代でもありますが)に好まれていたKarlsbaderkanne(カールスバーダーカネ)のコーヒーこそ、「ウィーンの伝統」と呼ぶにふさわしい、としてもよいのではないでしょうか。
ちなみに現在、ウィーンカフェで主流となっているエスプレッソ(高温・高圧力で短時間に抽出する手法)は1901年にイタリアで生まれ、50年代以降、業務用マシーンの普及とともにウィーンに広まったものです。
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さて、カフェ・シュペールから歩いてすぐのところに分離派会館(セセッシオン)という、一度見たら忘れられない建物があります。前述のマリア・オルブリッヒ設計、玄関上部に「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を(Der Zeit Ihre Kunst,Der Kunst Ihre Freiheit)」というスローガンが刻まれています。かつてアールヌーヴォー芸術の牙城であったこの美術館、現在はクリムトの代表作「ベートーベン・フリーズ」が常設展示されています。

・・・思いのほか、長くなってしまったので、今日はこの辺で。
次回こそ、カールスバーダーカネの仕組みを詳しくお伝えしますね!
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by igiea | 2011-02-03 18:33 | Kaffee・ 珈琲 | Trackback | Comments(4)
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Commented by marcheselli at 2011-02-04 18:39
19世紀末のアートは素晴らしいですね。ウイーンの全盛期という感じがします。セセシオン行きました。あ~本当にウイーンって素敵!!カフェ・シュベールには行ってません。行きたい!!
Commented by みきたろう at 2011-02-04 20:38 x
ウィーンは音楽の都とだけばく然と思っていました
先日コメントに書きましたウィーンのお菓子屋さん旦那さんがウィーンに絵の留学に行ってらしたときにウィーン菓子の勉強をされたそうで…
一番文化が成熟し最先端だったころ
珈琲も同じく深まったんですね
凄く解りやすい文面ですらっと読めました
また楽しみです
Commented by igiea at 2011-02-05 02:10
marcheselliさま
19世紀末は、ウィーンにとって特別な意味をもつ時代だったのだなあ、とつくづく思います。その世紀末の雰囲気を今に伝えているカフェ・シュペール、次回ウィーンにいらした時はぜひ!
Commented by igiea at 2011-02-05 02:19
みきたろうさま
確かに音楽の印象が強いウィーンですけれど、絵画や建築なども本当に興味深い街です。そういった様々な要素がお互いに少しずつ影響し合い、より深い文化を築き上げていく、ということでしょうか。
また、こういう話題を取り上げてみたいと思います。


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